製品の沿革
籐は1000年近く昔に中国から日本にもたらされ、弓や長刀の柄巻、和楽器、神社仏閣の建築部材などに使われてきました。
明治初期に籐家具の製造技術が日本に伝わり、日本人ならではの高い技術で高品質の家具が生まれました。
近年海外からの安価な輸入製品に押され日本の籐家具職人が減った今、国産籐家具専門店は貴重な存在になっています。
機械技術が進んだ現代でも、職人の手作りが基本になっている籐家具はこれからの高齢化社会において、軽量・丈夫・安心安全な体に優しい家具として改めて見直されています。
籐(ラタン)とは
籐(ラタン)とはヤシ科の植物で、竹と藤蔓とは異なります。
東南アジアを中心に熱帯雨林地域のジャングルに自生する、非常に生命力の強い
史上最長の植物です。
無数の鋭いトゲで他の樹木に絡みつき、太陽光線を目指してひたすら上方に成長します。
籐(ラタン)に分類される種族は約300種類程あり、その内産業資材として利用されるものは30種類ほどです。
成長して太くなる物、伸びても細いままのもの、堅いもの、
柔らかいもの、繊維の粗いものなど種類によって性質が様々で、大別してそれぞれの材料に使用されます。
使用材料
丸籐
直径5㎜~15㎜までの総称(ツヤ籐)
中でも「セガ」という材料は、表皮が半透明のほうろう質で美しい
光沢があります。日本では最上品種として評価が高いです。
大民・中民
直径15㎜以上の太い籐
主に家具のフレーム(構造体)として利用されます。
柔軟性に富み丈夫です。
皮籐
丸籐の表皮を一定の幅と厚みに挽いたヒモ状の材料です。
主に巻いたり、編んだりする材料です。
丸芯・半芯
編み方いろいろ
ラタン素材の特長
ラタンの素地は無数の通気孔(ストロー状)の束で伸びている為、天然の優れた調湿器と言われています。
表面はホーロー質に覆われ、繊維の中に湿気を吸収する為、サラッとしたひんやり感があり、多湿の日本の夏に快適な家具として定着しています。
現代では自然の素材の温かみや、軽量丈夫で扱いやすいことから高齢者は勿論、女性、お子さんにも安心、安全な家具として季節問わず魅力的な家具と言えるでしょう。